花卉園芸新聞の見出しに1/1000構想の記事が掲載され
業界内に一筋の光明が射したが、ここに来て総論賛成の議論から
各論に踏み込んだところでは、各団体の中でも微妙な意見の相違が
出てきている。
ここの所、どこも業績が思わしくなく、構想への資金の捻出に
減額を希望する案も現実にでてきた。
本来、この構想は、花業界が自分たちの資金で需要喚起を
実現さるために、市場が取引の中から、生産、市場、買参人が
それぞれ1/1000を拠出するという構想です。
特筆する点は、市場協会がこの集金業務を行なってくれる点です。
このことは、この構想を実現させるために、継続的に安定的で
平等公平に広く資金を集められ、負担感が少ない点です。
消費税の5%の他に0.1%を支払うことで、現在4000億市場
換算で市場で購入し0.1+生産者0.1+市場0.1=0.3%(12億円)が
全部集金できたとして、12億からかかった経費を除いて自分たち業界の
ために使われます。
業界が低迷している今こそ、何としてでも成功させなくてはいけません。
また必ず需要喚起を実現させるためには、まだいくつかの問題があります。
たとえば明日の日曜日にMiss.Lilyが毎年恒例で発表されます。
テレビ等でも取り上げられ、鮮やかな衣装に包まれた有名女優が
Missに選出され、すばらしい百合の花束が紹介されます。
その時に消費者が刺激され、花屋さんの店頭にその情報と商品が
とても買いやすく提案されていれば、花を1年間に買わない人が
花を買うきっかけになるかもしれません。
この季節、百合の相場は低迷していますが、その価格も良くなるかも知れません
そんなプロモーションを常に発信して、花屋の店頭には花が買いたくなる情報が
あふれて、その商品の供給を生産者が担って、鮮度を保持した流通を経て
又新しい魅力的な商品を常に研究開発して、提案し消費者を刺激し続ける。
一貫して業界が繋がっていくことがとても重要で、継続することが大事です。
それでは、どこでその資金の管理と運用をするのかが問題になってきています。
この組織は、透明性と実行力を持って、業界の意見を取り入れ計画的にその運用を
担い、消費者のニーズを常に取り込み、生産から販売までの情報を、戦略的に
有効な手段をもって、公平な実現を目指さなければなりません。
この組織を作らなければ、成功は実現しません。
今このチャンスを物にしなければ、花き業界の未来は変えられません。
これらすべての問題は、利己主義的な考えをすてて、業界それぞれがこの問題の
議論を重ねて、連帯を強め、実質的な確論を話し合い、情報を共有しながら、共通の
目的達成の実現にむけた建設的な議論がされるべきです。
今、大事なのは、いくらなら資金が出せるかではなく、未来の需要喚起するために
何が必要で、それにはいくら必要で、どうやってそれを実現させるか、そのために
自らが知恵を絞り、業界の枠をこえた連携をすべきだと思います。
1/1000構想の実現のため設立された「花き消費拡大検討委員会」はこれまでの
花き消費拡大事業の推進合意について、
資金の徴収は、平成22年4月1日からの実施を目指す、資金の徴収、資金管理団体
の設立、その他花き消費拡大事業の実施に必要な事項について、
引き続き検討を行なう。
として、この合意を各団体に持ち帰り検討中になっています。
先々月5月に、仲の良い花屋さんが廃業しました。
先月6月末で長らく営業を続けてきた別の花屋さんも店舗を閉めました。
生産者さんの中でもやめる方が出てきています。
この問題は、当事者である花業界の1人1人の資金から成り立つ問題です。
人任せには出来ません。
決して、手の届かない次元の話しではありません。
実際に1人1人の声が届く範囲で物事が決まってしまいます。
まわりの関係団体に積極的に参加し、この問題を取りあげ議論してください。
少なくとも、まずその議論が出来る最低限のテーブルを自分のまわりから
急いで創っていきましょう。
経済の低迷している今も、業績を伸ばしている企業や業界はあります。
そこには、常に消費者のニーズに併せて、変化し続けてきた姿があります。
今こそ、花業界が、この構想をきっかけに、進化を遂げるチャンスです。
この1/1000構想が
「花で幸せ倍増計画」となって花業界や消費者が幸せを実感できる運動に
なっていかなければいけません。